二級建築士版:エスキスを上達させるコツ 1.読み取り編

二級建築士試験
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はじめに

どうも、ユーリです。

本記事は「二級建築士試験」設計製図試験に向けて学習の際に多くの方がつまづくであろうエスキスについて解説します。

勉強すればするほどドツボにハマり抜け出せなくなっていくエスキス地獄、自分も受験生だった頃は自分のセンスの無さに絶望し課題を解くのが億劫になっていました。

しかも学科試験を突破するために一生懸命勉強して合格見込みとなったら即製図の勉強ですからね

今は受験制度も変わり5年間で3回まで製図受験可となっているため一回見送ってから製図初受験も可能ですが通学者はその選択を学校が許さないと思われます・・・。

作図は学習を続けていくうちに上達していきますが、エスキスは結構差が出てきます

エスキスを上達させたいやり方が分からない方の一助となればと記事を書いていきますのでよろしくお願いします。

※二級建築士は基本的に木造課題、3年周期でRC造課題が出題されます。

今回は木造課題をベースにしますので、RC造はまたの機会にまとめようと思います。

また、読み取り手順については、資格学校や通信教材・独学など様々な手法が用いられていますのでここでは深くは触れません。

結論

  • 読み取り手法は様々、大事なことは読み落とし・読み飛ばしをしないように工夫すること。
  • まず軸となる課題(標準的なもの)を作り、そこから各課題との差異を見つける。
  • その差異が解答例ではどのように処理されたのかを見極める。

理由

読み取り

エスキスを行うにあたって一番大事な部分は「読み取り」です。

なぜならここで解釈を間違うとあとは不合格へまっしぐらだからです。

ある実例を出します。

平成29年度の一級建築士設計製図試験課題は「小規模なリゾートホテル」

南東方向に名峰がある、各宿泊室から名峰や湖を眺められるようにする という条件が記載してありました。

しかし、これを読み飛ばし・軽い条件だと無視した受験生が多発し、これは軒並み不合格項目となりました。

最初の数分で合否が分かれ、不合格エスキスを2時間、不合格図面を3時間、不合格記述を1時間

不合格に向けてその試験時間を過ごし、本人はその自覚がないんです。

自分はそんなことしないよ と思いますか?

試験時間はあまり余裕がないです、本試験は緊張と焦りで普段はしないことをしたりします。

受験生は全員大なり小なり努力を重ねてきたはずです、その努力が読み飛ばしや読み落としで水の泡となるのはとても悲しいことだと自分は思います。

解釈

上記を踏まえた上で、読み取りを作業とならずしっかりと出来たとしましょう。

次に問題になってくることは「解釈」です。

この解釈の違いがプランに影響してきます。

自分の選択肢が全体の多数派であれば合格に近づき少数派であれば合格から遠のきます。

多数派の選択肢を選ぶためには2つの方法を実践します。

1つ目は 標準的な課題を自分の軸とすること

2つ目は 軸との差異を見つけて解答例からその解決方法を分析すること

この2つの方法です、これを行うことで合格に近づくことができます。

理由として設計製図の問題を解く上で普通(目安)が分からないと解きようがないです。

その普通を作り出す、そして自分の軸にすることで普通と何が違うのかが判断できるようになります。

また、試験元から過去問と標準解答例が公開されています。

そちらを分析することで、差異の部分の処理の仕方が分かるため

こういう時はこうする」が自分の中に増えていきます。

それにより判断が分かれる場面でも多数派の判断が下せるようになります。

具体例

読み取りの工夫

ここでは各々の読み取り手法をなるべく変えないように配慮しながら

読み飛ばしや読み落としがないようにする工夫を紹介します。

テンプレートの利用

テンプレートや定規を使用して一行一行読み取りを行います。

めっちゃ地味ですが読み落としは激減します。

そんなアホな と思う方もいると思いますが本当です。

ちなみに自分がしていた時は いつもと同じところ は線を引いて消していました。(こんな感じ

不安な方はアンダーライン蛍光ペンでも良いと思います。

大事なことは焦らず、作業にならないように読み取りを行うことです。

この方法はただ目で課題文を追うよりも効果は高いと思うのでお試しあれ。

メモを取りながら読む

気になったところは全てメモを取ります。

ワーキングメモリ という言葉を知っていますか?

情報を処理する机の広さみたいなものです。

この机に積み上がる書類(情報)を逐次整理していくことで正確な判断力を維持できます。

そのためには、気になった情報や大事なところはメモを取る。

言われなくてもやってるわそんなこと という人はごめんなさい。

ちなみに↓の書籍にワーキングメモリの内容も詳しく載ってます、オススメ書籍です。

普通の作り方

この記事を書いている現在令和4年度の二級建築士の課題は「保育所(木造)」です。

二級建築士に出題される建物規模と木造というところから考えると

0~2歳児用の木造二階建、1階に保育室がある、外部に園庭やテラスがある。

このあたりが普通と呼ばれるかと思います。(個人的な意見ですが)

資格学校に通学している方は最初の課題が「普通」になると思うのでそれを使います。

その「普通」を軸に別の課題を解きます、するとその課題と違うところ(差異)があるはずです。

例えば

  • 道路付け(北、南、西、東、あるいは角地や二方向)
  • 敷地の大きさ、隣地、外部条件
  • 所要室・主要室の数や大きさ、設置階条件など
  • 動線、隣接、直接利用などの計画上の条件

まともに計画したら収まらない、どこからアプローチすれば?

そんな問題や自分が躓いた部分、全てメモしておきます。

できればその問題を解いた後に解答を確認します。

そして自分と解答の違いを把握、修正していきながら対処パターンをストックしていきます。

注意点

ざっと書き上げましたがここで注意点。

通学している方や周りの受験生とコミュニケーションが取れる方は他の人の解答も確認してください。

自分と解答例だけの確認は自分のミスだけ発見して終わりますが

他の人のミスは自分がこれからするかもしれないミス

として認識できます、ミスを恐れない。

失敗しまくってその度に起き上がることがこの試験では一番重要です。

おわりに

簡単ですが今回はここまでです。

試験元が設計製図試験を通じて判断するランクⅠ(合格)

「知識及び技能」を有するもの です。

ではその「知識及び技能」とはなにか。

それは二級建築士(一級もしかり)として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」をいう。

とあります。(試験元の合格基準を参照)

ではその製図試験を通じて合格させたくないリアルな建築士像とはなんでしょう。

1)問題文を思い入れだけでアドバイスも聴かないで読み、
2)小さなミスくらい多めにみろやと思っていて
3)法令くらいは多少間違えてもええやん、建たないんやからと思っていて
4)時間内にキチンとできず、時間コントロールが下手な方

そういう人間を建築士にしたくない試験です。

ですから試験自体は、
1)読み間違いしやすいように
2)小さなミスが出やすいように
3)法規に抵触しそうな部分を盛り込み
4)時間オーバーするような作図量文章量

ということで作られています。

そういう視点で問題を見ることで課題文が変わって見えると思います。

ではまた。

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