はじめに
どうも、ユーリです。
皆さんは一級建築士に合格するために様々な犠牲を払っていることだと思います。
一般的に一級建築士に合格するために必要な学習時間は2000時間と言われています。
一昔前は一級建築士試験の受験サービスとして有名な資格学校に通学して試験を突破するという方法が主流でした。
しかし現在はインターネットの普及などによるオンライン環境が整っているため他のサービスによる方法で合格を勝ち取る方が増えています。
ちなみに自分の経歴はこんな感じです。⇨
自分は高卒なので二級建築士から取得しました。
そこでもS学院に通学したため、何も考えずそのまま一級建築士もS学院に通学。
学科試験は一発で突破できましたが、学科試験とはまた勝手の違う製図試験についていけず無念の不合格。
その後学校に引き続き通学するか、オンライン受講が可能な製図試験.comに受講するかを考え新型コロナウイルスの流行もあり後者を選びました。
結果一級建築士に合格することはできましたが、今思えばこういう風にすればもっと安く済ませられたなと思うこともあります。
この経験からここに記事を書くことでこれから一級建築士を受験する方に少しでも参考になれば幸いです。
結論
- 学科試験(一次)の突破には近年の中古テキストと過去問(資格学校のやつ)を購入する。
- また、速学や合格ロケットを使用し過去問を徹底的に攻略する。
- 設計製図試験(二次)の突破は独学では難しい。
- 資格学校か製図試験.com等の通信教材(オンライン等)を使用する。
理由
一つずつ説明していきます。
学科試験(一次)について
まず学科試験ですが、計画(20)、環境・設備(20)、法規(30)、構造(30)、施工(25)の5科目に分かれており4択、計125点のマークシート方式の試験となっています。※()内は配点
各科目に足切りが毎年設定されており、満遍なく点数を取らないと合格できないようになっています。
ですがこの試験、過去問は試験元より公開されている上に問題集等で解答付きでまとめられている過去問集があるため10年分程度マスターすると大体合格点付近まで点数が獲得できるようになっています。
資格学校の営業さんの勧誘トークの中で、「過去問だけでは無理なんです、新規問題も学習していかないと合格できませんよ」と言われたりしますが実際は過去問を完璧にしておけば合格できます。
実際新規の問題が的中するかというとそうでもないし、出るか出ないか分からないところに時間をかけるより過去問を少しでも理解・攻略していくほうがはるかに点数に繋がります。
資格学校と独学の比較(学科)
まず通学のメリットとデメリットをまとめてみます。
通学のメリット | 通学のデメリット |
講師に分からないところを聞いて 疑問をすぐに解決できる。 ただし 毎週の講義は科目がバラバラなので 問題解決したい科目の講師がいない時がある (すぐに問題解決できない) 現在の自分の立ち位置が把握できる (模試などによる全体としての自分の順位) ただし 模試だけ単独で受験することで 現在の自分の順位を確認することができる テキスト・問題集が最新のものが揃う 自分で情報収集しなくてもよい ある程度スケジュール管理されるため 強制的に勉強する環境になる 同じ目標に向かって学習する人が周りにいる 環境なのでモチベーションが保ちやすい | 水曜か日曜コース(土曜も有り)が通常 ある程度の時間拘束されるため自由がない。 学費が高い(製図込で100万超えが相場) 金銭的なプレッシャーも発生する。 最近はコロナウイルス等の感染症のリスク有 |
次に独学のメリットとデメリットをまとめてみます。
独学のメリット | 独学のデメリット |
全て自分の自由に学習を計画し 進めることができる 自分でスケジュール管理できるため 時間の自由がきく(家族の理解も得やすい) 自分の状況に応じて受験体制を変化させやすい (事故・病気・怪我・妊娠で見送るなど) 感染症のリスクが低い (コロナ情勢ならでは) 金銭的なコスパが良い 金銭的なプレッシャーがない | 全てにおいて自分で学習計画立案・修正等を 行わなければならない。 自由がききすぎて人によっては怠けやすい 場合によってはそのままリタイアの可能性有 一人で学習を続けるため モチベーションの維持が難しい ある程度自分で教材や情報を仕入れる必要がある。 (情報の取捨選択も必要) 人によっては金銭的なプレッシャーがある方が モチベーションを保てる人もいる。 |
似たりよったりな感じになりましたが、独学は行動力と学習を持続できるだけのモチベーション維持が大変です、人によっては学校が良い場合もあります。
ちなみに学校によってはオプション講座(5万~10万)をGWやお盆や試験直前などに用意していて中々良い商売してます。(どんだけ搾取すんねん)
あと学校へ行けば自動で合格へ導いてくれるという甘い考えは捨ててください、そんな金さえ払えば合格させてくれるようなシステムではないです。
講義は週1であとは膨大な宿題をさせられるんです、そら合格するわなってくらいの量の宿題です。
それ自分でできるなら学校いかなくていいよねと思った方は通学しなくても学科は突破できます。
それだけでも数十万は浮きます、必要なコストにだけお金をかけるようにしましょう。
設計製図試験(二次)について
次に設計製図試験ですが、問題文(設計条件)にある建物をプランニング(エスキス)し図面化(手描き作図)+プレゼン資料(計画の要点)の作成を要求されます。
何のことか分からない方もいると思いますが、試験時間は6時間半なのでかなりハードな試験です。
またこの試験が相対試験です。(何点以上合格!や確実に合格!などの基準がない)
簡単に言うと全体を見て出来の良い図面を上から順に拾い上げていく感じです。(例年3割程度の合格率)
プランや図面の出来の良し悪しって正直優劣をつけるのは難しいです。
また実務とは違う試験ならではのローカルルール的なものも存在するため独学で合格はかなり難しいと思います。
結局どんな問題でるの?良く分からないんだけどという方のために試験元HPに過去問が公開されていますので興味のある方はご確認ください。
また、製図試験に関しての理解を深めたい方はこちらの書籍もオススメします。
資格学校と独学の比較(製図)
まず最初に言っておきます、学科と製図は全くの別物です。
なので勉強法も学科と同様のことをしても合格できません、なぜなら設計製図試験は実技試験だからです。
その上で先程と同じく通学のメリットとデメリットをまとめてみます。
通学のメリット | 通学のデメリット |
講師などに分からないところを聞いて 疑問をすぐに解決できる。 ただし 講義は週に1回なので問題解決したい 疑問は最長で来週になる。 (すぐに問題解決できない) 現在の自分の立ち位置が把握できる (模試などによる全体としての自分の順位) ただし 模試だけ単独で受験することで 現在の自分の順位を確認することができる テキスト・課題集が最新のものが揃う 自分で情報収集しなくてもよい ある程度スケジュール管理されるため 強制的に勉強する環境になる 同じ目標に向かって学習する人が周りにいる 環境なのでモチベーションが保ちやすい グループミーティングに参加することで 建築的常識やエスキス力が身につく | 水曜か日曜コース(土曜も有り)が通常 ある程度の時間拘束されるため自由がない。 学費が高い(コースにより40万~80万が相場) 金銭的なプレッシャーも発生する。 最近はコロナウイルス等の感染症のリスク有 |
そして独学のメリットとデメリットをまとめてみます。
独学のメリット | 独学のデメリット |
全て自分の自由に学習を計画し 進めることができる 自分でスケジュール管理できるため 時間の自由がきく(家族の理解も得やすい) 自分の状況に応じて受験体制を変化させやすい (事故・病気・怪我・妊娠で見送るなど) 感染症のリスクが低い (コロナ情勢ならでは) 金銭的なコスパが良い 金銭的なプレッシャーがない | 全てにおいて自分で学習計画立案・修正等を 行わなければならない。 自由がききすぎて人によっては怠けやすい 場合によってはそのままリタイアの可能性有 一人で学習を続けるため モチベーションの維持が難しい ある程度自分で教材や情報を仕入れる必要がある。 (情報の取捨選択も必要) 人によっては金銭的なプレッシャーがある方が モチベーションを保てる人もいる。 周りに相談できる人がいない、課題の添削ができない 解答例と照らし合わせても具体的な解決に至れない |
学科と比べると通学のメリットはかなり大きいです、特に設計の経験(意匠)がない方には絶大なメリットがあります。
その原因の一つとして設計製図試験の解答には明確な答えというものが存在しません。
課題文に書かれた条件をどれだけ満たしているか、なおかつ誰が見てもわかりやすく明快なプランとなっているかが重要です。
学科試験のように四択で必ず一つは解答があるような試験ではありません。
毎週の課題をこなすことで製図力が向上、更にグループミーティング等でクラスメイトとプランの良し悪しを話し合うことでエスキス力も向上します。
学科の時よりクラスメイト話す機会も多いのでモチベーションは保ちやすいです。
ただ、仕方ないこととはいえ毎回出来ない課題を解いてその度に添削という指摘を受け続けるので心は折れそうになります。
ここまで長々と書きましたが通学のデメリットはお金くらいです、そこがどうにかなるなら通学した方が学習効率は上がります。
具体例
で、実際どうすればいいの?という声が聞こえそうなのでここでまとめます。
学科試験対策ツール
テキスト・過去問
メルカリやヤフオクで総合資格学院のテキストや過去問が出品されているのでそちらをゲットします。
一応一般販売されているものを下記しますが、これだけだと全然足りないので通学者用をゲットしましょう。
ちなみに通学者用は過去問が10年分、テキストも各教科分別冊であります。
令和4年度版 1級建築士試験学科ポイント整理と確認問題
令和4年度版 1級建築士試験学科厳選問題集500+125
令和4年版 建築関係法令集 法令編
法規で使用する法令集は線引き済を中古で購入するとアンダーライン引きの時間が短縮できます。
ただしなるべく近年のものを購入しましょう、あまり古いと法改正前の誤った知識を正として入れてしまう可能性があります。
速学・合格ロケット
自分が受験生の頃は通学兼速学を使用していました。(合格ロケットは使用してないです。)
速学 (概要は下記参照)
こちらはスマホで過去問を一問一答で解くことができます。
隙間時間を有効に活用することもできるため、とても効率的です。
金額もリーズナブルで5万~8万程度です、通学費用と比べるなら天地の差かと。
また、こちらの開発者である とまとねこ先生 のHPもとても有用です。
合格ロケット
使用したことがないため割愛しますが、速学同様評判は良いです。
一応リンクを下記します。
設計製図試験対策ツール
総合資格学院・日建学院・TAC
こちらは有名どころなので割愛します、ちなみに自分は総合資格学院に通学していました。
費用的には 総合資格>日建学院>>TAC です。
合格率は・・・正直あんまり関係ないと思います、どこに行こうが合格する人は合格しますので。
製図試験.com
自分は二年目はこちらに通学していました。(で、合格しました。)
先生は大阪の方ですが、オンライン(ZOOM)によりどこでも受講可です。
動画として残してくれるため後追い可
BAND(LINEのようなオープンチャット)によりいつでも質問可
本試験予想もかなりの精度で自分が合格した年は、ここまでお膳立てしてもらって合格しなかったら失礼にあたると思ったほどです。
ただし先生が基本的に一人であるため、人により合う合わないがあるので実際にZOOMで面談されてから受講されると良いと思います。
毎年マニュアルを更新されているため、下記しますが最新をご覧ください。
教育的ウラ指導
こちらも有名どころです、自分は利用しなかったため割愛します。
最後に
相当偏った記事になりましたが、ここまで閲覧していただきありがとうございます。
この試験以外にも言えることですが、一番大事なことは
- 自分は何が出来て何が出来ないのかを把握(自分の位置を把握)
- 合格するために何が足りないのかを把握(自己分析)
- その不足を補うために何をし、どのツールを用いればいいのか(情報収集)
- ゴール(合格)から自分の位置(スタート)を逆算し、学習を進める。
これが出来ないと学習のしようがないです、まずすることはこの4つです。
一級建築士試験の学習を進める上でこの情報が役に立てば幸いです。
コメント